お知らせ・コラム
土地活用の豆知識 東京都安全条例の窓先空地について
2024/10/03
コラム
窓先空地とは何か?東京都安全条例
窓先空地が必要な建物とは?
窓先空地(まどさきくうち)とは、
「共同住宅の「道路に面する窓を有さない住戸」の窓の前に設ける空地」のことです。
住戸が道路に面していれば将来的にも採光や避難経路の確保の点で安心ですが、敷地の奥の道路に面さない住戸でも採光や安全上の不具合が生じないように、窓の前に一定の空地を設けることが法規的に義務づけられているのです。
窓先空地は規定の大きさなどを満たさないと建築確認が下りませんので、計画段階からきちんと考えておくことが必要です。
窓先空地は日本全国で必要なわけではなく、以下のように、東京都や横浜市などが定めている条例に基づきます。
東京都の場合、原則としてすべての共同住宅で窓先空地が必要です。
逆に言えば、長屋、事務所などには窓先空地は必要ありません。
東京都:東京都建築安全条例 第19条(対象→共同住宅、寄宿舎(シェアハウスを含む)など)
横浜市:横浜市建築基準条例 第20条の2(対象→延床面積1000m2以上の共同住宅)
窓先空地の計画のポイントは?
次に、実際の建築計画上のポイントを見ていきましょう。これらは東京都建築安全条例に明文化された規定は書かれていませんが、役所や検査機関の解釈で通例と認められているものです(実際の建築確認にあたっては、管轄の役所に確認することをおすすめします)。
1)窓先空地の入口に門扉をつけてよいでしょうか?
窓先空地は道路からみて敷地の奥になりますので、防犯上、門扉を設けたくなることがあります。門扉を設けることは可能ですが、開口有効幅は上記の避難通路の幅以上でなくてはなりません。門扉があれば、窓先空地を1階の住戸の専用庭のように使うこともできますね。
2)窓先空地を駐車場としてよいでしょうか?
窓先空地は災害時の避難経路となることから、駐車場や駐輪場とすることはできません。ただし、別の場所に駐車場がある場合、窓先空地を車路と兼用することは可能です。
3)窓先空地を植栽とすることは可能でしょうか?
駐車場と同様に避難経路という観点から、樹木を植えることは認められません。ただし、芝のように歩行を妨げないものであれば、認められることはあります。